テレビ通販市場の中で何年間も出稿量第一位カテゴリーがある。健康食品だ。(いわゆる健康食品だけでなく、特定保健用食品、機能性表示食品、医薬品を含む)
その巨大市場の中で最近よく目にする「機能性表示食品」について、テレビ通販出稿量の推移から掘り下げていく。
※機能性表示食品とは2015年4月に始まった制度で、事業者の責任において、科学的根拠に基づいた機能性を表示し、販売前に安全性及び機能性の根拠に関する情報などが消費者庁長官へ届け出られたものです。ただし、特定保健用食品のように消費者庁長官の個別の許可を受けたものではありません。
2018年6月末現在で延べ310種類以上の商品が機能性表示食品として登録されています。(消費者庁ホームページより)
2013年以降のテレビ通販市場の中でいわゆる『健康食品カテゴリー』がテレビ通販全体の30~35%を占める巨大カテゴリーであることがわかる。
その中で、機能性表示食品の伸率を見ていただきたい。
2018年第2クォーター(4月~6月)にテレビ通販を放映している機能性表示食品は25品目 全健康食品放送品目の約16.4%にもなり、放送時間は4万3,541分 同約21.4%を占めるに至っている。
では、2018年第2クォーターに大量出稿している主な4社を見ていこう。
【キューサイ ひざサポートコラーゲン】
75歳以上の愛用者を何人も取材。様々なシーン(家の中でずっと座ってる様子、坂道や階段、孫と旅行・山登り、等々)を映し、視聴者の“共感”を促す。
「ひざの曲げ伸ばしに深くかかわっている成分=コラーゲン」「ひざの曲げ伸ばしをお助け」と明言
【エバーライフ 皇潤極】
愛用者の元気な姿(ひざがスムーズに動く姿)を中心に構成。ヒアルロン酸、Ⅱ型コラーゲン、グルコサミン、コンドロイチンの4つの成分を配合を強調
「ひざ関節の柔軟性と可動性をサポート」と明言。
【キューピー ヒアロモイスチャー240】
くある街頭インタビューで肌の悩みを掘り起こし、「“飲む”ヒアルロン酸」を提案。マヨネーズのキューピーがなぜヒアルロン酸を研究しているのかを掘り下げ、キューピー独自の技術を訴求。
「肌の水分保持に役立ち感想を緩和する」「日本初!肌の機能性表示食品」と明言
【ライオン ナイスリムエッセンス ラクトフェリン】
番組冒頭でぽっこりお腹の“内臓脂肪の断面図”“脂肪の模型”で恐怖訴求。芸能人(赤井英和)やターゲット世代の方のお腹を測り、共感を促す
「内臓脂肪を減らすのを助けます(①脂肪の分解を促す(バラバラにする)②新たな内臓脂肪を付きにくくする(脂肪をブロック)。」「高めのBMI改善に役立ちます。」」「錠剤コーティング技術でラクトフェリンを腸まで届けることができる。」と明言。
どのインフォマーシャルを見ても、今までの健康食品のように愛用者訴求やストロングポイントをわかり易く見せつつも、届出の範囲内で具体的な効果効能を明言している。