BSや地上波などのテレビ通販番組の出稿量データを集計した
「DRTV-INDEX™」の2018年の年間データが出揃った。
主要放送局54局の企業別放送分数から前年との比較を行いながら、
2018年のテレビ通販番組を振り返る。
1位 オークローンマーケティング
商品別でも1・2位独占
ベストテンに6商品がランクイン
2018年もオークローンマーケティング(以下、OLM)がランキング1位ではあることには変わりは無いが、その販売商品群は大きく変化している。商品開発力とマーケティング力を兼ね備えた、まさにリーディングカンパニーに相応しいと言える。
寝具シリーズ「トゥルースリーパー」(累計出稿量14万6,478分)が昨年比46%増で商品別ランキング1位に輝いた。商品別第2位には同昨年1位のフィットネス器具「スレンダートーン」(累計出稿量11万6,300分 昨年比2%減))となり、順位は入れ替わったものの昨年と同じ商品がワンツーフィニッシュとなった。
さらに商品別4位の「セブンスピロー」(累計出稿量6万3,998分)、同6位の「プレッシャーキングプロ」(累計出稿量5万4,158分)、同7位の「スクワットマジック」(累計出稿量5万3,538分)、同9位の「楽ちんヒアリング」(累計出稿量4万9,162分)となっており、2017年は殆ど訴求していなかった商品がベスト10に食い込んで、同社の主力商品として大成長を遂げている。
この1年間で41種類もの商品をテレビ通販市場に投入し、年間総放送量も63万6,968分(昨年比6%増)を確保。2位となったテレビショッピング研究所に約2倍の差をつけてトップに立っている。まさに、ここ数年間はテレビ通販市場における巨人として、君臨し続けている。
2位 テレビショップ研究所
主力商品出稿量減を新商品でカバー
事業主別出稿量で2位となったテレビショッピング研究所は昨年の商品別ランキング5位(同社内では1位)の「H2OスチームFXセット」が昨年比69%減(累計出稿量2万1,243分)と大きく落としているが、新商品として「フレーバーストーン ダイヤモンド エディションセット」(累計出稿量3万5,177分、同14位)「H2Oスチームユニオンセット」(累計出稿量2万9,202分、同23位)を投入。大躍進の商品となった。
さらに「グラネス ファースト」(累計出稿量2万9,006分、同25位)「ライフアッププロ」(累計出稿量2万0,881分、同32位)「ヘルシーグリルスペシャルセット」(累計出稿量1万9,843分、同35位)等が寄与し、総出稿量30万1.553分(昨年比10%減)、第2位をキープした。
3位 ジャパネットたかた
アイテム数は第1位
ジャパネットたかたは1つの商品に偏ることなく156種もの商品アイテムを投入し、事業主別出稿量では3位に。
生活・掃除家電カテゴリー(累計出稿量10万6,687分 昨年比8%増 累計出稿アイテム数73)が飛躍的に増えており、中でも「TOSHIBA サイクロン式クリーナー トルネオ」が累計出稿量1万1,658分(昨年比42%増)を確保し、同社内ランキングでは2年連続の1位となった。
4位 新日本製薬
大幅に出稿量を減らすもワンランクアップ
「パーフェクトワン薬用ホワイトニングジェル」が商品別3位をキープはしたが、累計出稿量7万7,315分(昨年比17%減)となり、主力商品に陰りが見えた。
その代わりに「青汁サラダPLUS」が累計出稿量1万1,853分(昨年比458%増、同67位)と飛躍的に伸びたことで事業者別累計出稿量11万184分(昨年比17%減)をキープし、昨年より順位を一つ上げる結果となった。
5位 キューサイ
2年連続の放送時間大幅減
キューサイは企業別出稿量が累計出稿量10万8,373分(昨年比20%減)となり、上位10社の企業の中では最大の下げ幅となった。特に9月~12月の4ヶ月間は昨年比54%減の出稿量となった。
商品別でみると「ひざサポートコラーゲン」「小林HMBタブレット」等の健康食品は累計出稿量7万7,691分(昨年比16%増)と出稿量を増やしている。
他方、「コラリッチBBクリーム」「コラリッチEX」等のコスメカテゴリーが累計出稿量3万699分(昨年比46%減)と大幅な出稿量減となった。
6~10位は?
エバーライフ、サントリーウエルネス、ディノス・セシールと昨年までと変わらぬ顔ぶれが並ぶ。
新たにベストテン入りは9位「グランマルシェ」累計出稿量6万22分(昨年比11%増)、10位「銀座ステファニー化粧品」累計出稿量5万9,911分(昨年比81%増)。
中でも飛躍的に伸びている商品は、エバーライフの「美・皇潤ボーテ クッションコンパクト」(累計出稿量3万4,398分 昨年比5,945%増)、ディノス・セシールの「コアストレッチ エアプリエ」(累計出稿量1万106分 昨年比42%増)
躍進の銀座ステファニー化粧品は「Suhadabi クッションファンデーション」(累計出稿量4万4,350分 昨年比68%増)、「プラセンタ100 CORE」(累計出稿量1万4,663分 昨年比186%増)と2アイテムで大幅な出稿量増を実現している。
昨年10位の「富山常備薬G」は累計出稿量2万8,138分(昨年比56%減)となったが、主戦場をテレビ番組通販からテレビコマーシャル通販にシフトしたものと思われる。
飛躍的に伸びている商品は?
2018年に飛躍的に出稿量を伸ばした商品としては、
プライムダイレクトの「バタフライアブス」が累計2万9,995分増(商品別15位)、
キューピーの「ヒアロモイスチャー240」が累計1万4,101分増(同29位)、
A-ダイレクトの「アミノエール」が累計1万1,601分増(同36位)、
オムロンヘルスケアの「オムロン 電気治療器」が累計1万7,100分増(同38位)、これら商品が各社が拡販に注力している戦略商品だといえる。
2018年の注目の新規参入商品は?
2018年に初めてテレビ通販で露出させた商品のうち、注目されるものはNTTドコモの「らくらくスマートフォンme(申込みご案内)」が累計1万6,366分(商品別51位)。ガラケーを使い変化を嫌うお年寄りに優しく寄り添って説明する内容になっており、テレビ通販業界に新しい手法を持ち込んだ。
また、卸販売を主力としているホソカワミクロンが直販に乗り出し「薬用ナノインパクト100」が累計1万881分(同72位)と大きく躍進した。