BSや地上波などのテレビ通販番組の集計した2020年の年間データが出揃った。主要放送局54局の販売会社別放送分数と商品別放送分数から前年との比較を行いながら、2020年のテレビ通販番組を振り返る。

オークローンマーケティングが1・2・3位を独占ベストテンに6商品がランクイン

 2020年もオークローンマーケティング(以下、OLM)が累計放送分数75万6,805分を確保し、2位のテレビショッピング研究所(以下、テレ研)に約2.6倍の差を付けてぶっちぎりの1位となった。商品別ランキングも40位内に9商品をも送り込み、まさにここ数年間はテレビ通販市場における巨人として、君臨し続けている。
 第1位に輝いた「トゥルースリーパー」は2020年累計放送分数14万7,061分、前年比1万9,530分増(15%増)を確保。ここ5年間で5位⇒2位⇒1位⇒2位⇒1位と安定した出稿量を維持し、テレビ通販の大ヒット商品となっている。
 さらに、2位の「セブンスピロー」(同12万2,319分、同4%減)(前年1位)、3位の「クッキングプロ」(同10万7,270、同235%増)(前年22位)、5位の「ターボプロ」(同7万8,743分、同760%増)(前年84位)6位の「フォーサ」(同6万3,667分、同21%増)(前年5位)、7位の楽ちんヒアリング(同5万6,832分、同39%増)(前年12位)となり、6つもの商品がベストテン入り。
 一方スレンダートン(前年7万90分減)、プレッシャーキングプロ(前年4万2,803分減)ゆらこ(前年3万412分減)と新規顧客獲得活動をほぼ止めてしまった商品もある。様々な商品を新陳代謝させ、まさに商品開発力とマーケティング力を兼ね備えた、リーディングカンパニーに相応しいと言える。

上位20商品に、出稿量を減少させた商品が少ない。

 上位20商品のうち、前年より出稿を減らした商品がたった1商品のみで、多くの商品は出稿量の拡大を図った。コロナ禍において通販は強いと言われてはいるが、いわゆる「テレビ通販定番商品」は概ね出稿量を増やしているということが言える。
 その中でも、森永製菓:おいしいコラーゲンドリンク(前年比3万9,241分増)ヤーマン:スイングビート(同3万2,018分増)プライムダイレクト:ステップエイト(同2万6,180分増)エポラ:エポホワイティア(同2万7,458分増)テレ研:スワロ(同2万5,597分増)等が大幅に出稿量を増やしている。

6位 大躍進のプライムダイレクト

6位プライムダイレクトは、2020年累計放送分数9万5,326分(前年比36%増)を確保。2018⇒2019も前年比89%増を達成しており、ここ2年で2.5倍以上の放送枠を確保し、大躍進の6位となった。

飛躍的に伸びている会社は?

 2020年は前年比2倍以上、且つ、1万分以上の放送枠を確保した事業主が11社もあり(2019年は5社)テレビ通販を主戦場として戦う事業主が増えた年となった。
 その中でもトゥコネクト(生活家電)は前年比2万227分増の2万745分(前年比3,905%増)と大躍進を遂げ、前年165位から一気に40位となった。
 また、ライオン(健康食品)が前年比1,126%増の1万815分、奈良大和生薬(医薬品)が前年比987%増の1万6,467分をそれぞれ確保し、テレビ通販市場を活性化させる一因となっている。

飛躍的に伸びている商品は?

 2020年に飛躍的に出稿量を伸ばした商品としては、奈良大和生薬の「奈良八味地黄丸錠」が累計1万6,287分(同1,055%増)(商品別47位)ライオンの「ナイスリムエッセンスラクトフェリン」が累計1万815分(同1,126%増)(商品別74位)テレ研の「ライフアップスマート」が累計1万518分(同2,597%増)(商品別76位)、ハーブ健康本舗の「シボヘール」が累計8,599分(同1,637%増)(商品別85位)等が飛躍的に出稿量を増やし、テレビ通販業界に大きな活気をもたらした。

キッチン用品・キッチン家電が飛躍的に出稿量アップ

 カテゴリー別に見ると、キッチン用品・キッチン家電が前年比8万8,520分増(同32.2%増)、健康食品が同6万5,332分増(同6.9%増)、寝具が同4万3,983分増(同13.3%増)ホームDIYが4万2,579分増(同43.4%増)となった。
 一方、美容・エステが前年比10万7,726分減(同30.7%減)、コスメが同3万6,613分減(同9.3%減)、宝飾品・アクセサリーが2万1,662分減(同45.2%減)となった。
 コロナ禍の世相を反映しているのか、比較的必需品カテゴリーが出稿量を増やした結果となった。

商品別

カテゴリー別年計

販社別年計